新聞折込チラシ（広告）とは？効果やメリット・デメリット、活用のコツを解説

新聞折込チラシとは？

新聞折込チラシとは、新聞に同封されて特定エリアに配布される広告のことです。新聞購読者に向けて朝刊や夕刊と一緒に届けられるため、目に留まりやすく、地域密着型の販促手法として長年活用されています。

このような形式の広告は折込広告とも呼ばれ、郵送DMやポスティングと混同されることもありますが、大きな違いは「新聞と一緒に届く」かどうかという点です。

折込チラシは、郵送DMやポスティングのように単独で配布されるのではなく、日々の生活習慣に組み込まれている新聞と一緒に届くため、自然に読まれやすく、信頼性のある情報として受け取られやすいのが特徴です。

特に中小企業や店舗にとっては、近隣の見込み客に直接アプローチできる手段として、開店告知やセール情報などの告知に幅広く活用されています。地域性を活かしたプロモーションを考えるうえで、新聞折込チラシは今もなお有効な選択肢のひとつといえるでしょう。

なお郵送DMの効果については、以下の記事を参考にしてみてください。

折込チラシの特徴と仕組み

折込チラシの最大の特長は新聞の配達網を活用して、特定エリアに狙いを定めた広告配布ができる点です。広告主は地域（市町村単位など）や新聞の銘柄、配布日などを細かく指定でき、ターゲットとする読者層に向けて戦略的に届けることが可能です。

配布単位は「広告部数×新聞発行部数×配布エリア」で構成されており、たとえば「〇〇市内の朝日新聞の朝刊読者に、日曜日に配布」といった設定ができます。

参照：オリコメイト「新聞折込チラシを実施してみたい！基本の手順とは？」

また、チラシの印刷から新聞への折込作業、配布までを広告代理店や新聞販売店が一括で請け負うことが一般的です。そのため、広告主側は配布条件を明確に設定すれば、複雑な作業を自ら手配することはありません。

参照：朝日コネクト「ポスティングの流れを理解し計画的な導入を！」

このように、折込チラシはエリアマーケティングにおいて柔軟性と実行力を兼ね備えた仕組みを持っているため、地域密着型ビジネスに適した広告手法といえます。

折込チラシの効果とは

折込チラシの効果としてまず挙げられるのが、高い地域ターゲティング精度です。配布エリアや新聞の銘柄を細かく指定できるため、商圏内の見込み客に対して、無駄なく広告を届けることができます。

さらに新聞という信頼性の高いメディアとともに届けられることで、広告にも信頼感を持ってもらいやすく、また手に取ってもらいやすいという点も効果として挙げられるでしょう。特に新聞を読む習慣があるシニア層やファミリー層に対して、現在も高い訴求力を期待できます。

実際に、2021年に株式会社ビデオリサーチが実施した「全国新聞総合調査（J-READ）」をもとに、2022年9月に一般社団法人日本新聞折込広告業協会（J-NOA）が発表した分析結果によれば、新聞折込広告を1週間以内に閲覧した人の割合は全体で48.6％。新聞の定期購読者に限定すると、その割合は76.1%に達しています。

年代別に見ると、60代女性の77.6%、70～74歳の女性の80.4％が折込チラシを閲読しており、特に高齢女性の閲読率が高いです。くわえて、職業別に見ると、主婦の閲読率が62.2％と最も高く、家庭内の購買意思決定者に届きやすい媒体であることが確認できます。

参照：読売IS「新聞折込広告はどのくらい見られているか？」

また、即効性の高さも折込チラシの特長です。店舗のオープン告知や週末セールなど、特定のタイミングで集客を狙いたい場合に素早く反応を得やすいとされています。配布直後に反応が得られるケースもあり、短期的な集客施策として活用されることが多い媒体です。

参照：RETAIL AD COSORTIUM「折込チラシに即効性、ネット併用で相乗効果～３回の広告効果測定調査まとめ～」

ただし、こうした即効性は一時的なものになりやすいため、継続的な配布やWeb施策との併用によって効果を維持・拡大させることが重要です。

このように折込チラシは、商圏内の見込み客へすばやくアプローチできる地域密着型の広告手法として、今も有効なメディアといえるでしょう。

折込チラシのメリットとデメリット

新聞折込チラシは、地域に密着した集客施策として根強い支持を集めていますが、実施にあたってはその特性をよく理解することが重要です。

ここでは、代表的なメリットとデメリットをご紹介します。

新聞折込チラシのメリット

まず大きな強みは、地域密着性の高さです。配布エリアや新聞の銘柄、配布日を細かく指定できるため、近隣の見込み客へピンポイントで訴求することができます。

たとえば、自店舗の周辺1～2km圏内に住む住民へ、オープン告知や特売情報などをダイレクトに届けるのに適しています。イベントやキャンペーンのタイミングに合わせた柔軟なスケジューリングも可能です。

また、オフラインならではの視認性もメリットのひとつです。新聞と一緒に手に取ってもらえるため、飽和状態によりスルーされやすいデジタル広告と比較すると、目にする機会も多いでしょう。手元に残せるため、冷蔵庫に貼る・回覧するなど、複数回閲覧されることも期待できます。

さらに、インターネットを使い慣れていない層にも届きやすく、特に高齢者などのアナログ世代はWeb広告よりも紙媒体に親しみがあり、生活情報として折込チラシを活用しているケースも考えられるでしょう。

新聞折込チラシのデメリット

一方で、折込チラシにはいくつかの課題もあります。最大の弱点は、新聞を購読していない層には届かないという点です。特に若年層や都市部は新聞の購読率が低下しており、そのような層に向けた施策としては効果が限定的です。

また、印刷・折込・配布といった工程にコストと準備期間が必要になるため、突発的な施策には不向きです。納期や予算に余裕を持たせた計画が求められます。

さらに、チラシのデザインが単調、あるいは訴求内容が弱いと、目を通さずに捨てられてしまうこともあるでしょう。視認性が高い反面、一瞬で判断されやすい媒体でもあるため、レイアウトやキャッチコピーには工夫が欠かせません。

最後に、効果測定がしづらいという点も留意が必要です。Web広告のようにクリック数やコンバージョンが可視化しにくいため、反応を数値化するには二次元コードやクーポン、専用電話番号を掲載するといった仕掛けが必要です。

折込チラシを効果的に活用するには

折込チラシの効果を最大限に引き出すには、単に配布するだけではなく、そのタイミングやデザイン、オファー内容など、複数の要素を戦略的に設計することが重要です。

実際に活用する際に意識したいポイントを紹介します。

配布のタイミング・曜日・エリアの選定

まず重視すべきは、配布のタイミングとエリアの選定です。ターゲットとなる生活者の行動パターンに合わせて配布日を設定することで、チラシの閲読率や反応率を高めることができるでしょう。

たとえば、週末の買い物に向けて情報収集を行うと予測できる金曜日や土曜日の朝に配布すると、特売情報やキャンペーン告知などが行動につながりやすくなるかもしれません。

また、配布エリアの選定は「来店圏内かどうか」が重要です。特に飲食店や小売店などは、店舗周辺に住む生活者を中心に配布エリアを設定することで、来店につながる可能性が高まるでしょう。

見出し・写真・オファーで惹きつける

折込チラシは多くの広告と一緒に届くため、一目で興味を持ってもらえる工夫が求められます。特に、見出し（キャッチコピー）や写真のインパクトは非常に重要です。

目を引くビジュアルと、具体的なベネフィットを伝える見出しを用意することで、読み手の注意を引きつけられます。

たとえば、「週末限定50%OFF！」「〇〇市内限定・先着100名様」など、具体的な数字や期限を入れると、行動を促しやすくなります。高齢者向けの場合は、文字サイズやレイアウトの工夫も重要です。

行動を促す仕掛けを盛り込む

より反応率を高めるためには、クーポンや期間限定特典など、チラシを見て来店・購入したくなる要素を盛り込むのがおすすめです。「チラシご持参で○○プレゼント」「クーポン提示で10％OFF」など、明確なオファーを設けることで、チラシ経由の効果測定もしやすくなります。

また、イベント情報やキャンペーン日程を具体的に記載しておくことで、行動へのハードルを下げることができます。

Web連携で効果を可視化

折込チラシはオフライン広告ですが、Web施策と組み合わせることで効果の可視化や拡張が可能です。具体的にはチラシに二次元コード（QRコード）を掲載し、自社のWebサイトやSNSに誘導することで、オンライン上での情報補完や反応計測が行えます。

SNSやLINE公式アカウントへの誘導も有効で、フォローや友だち登録を促せば、その後の情報発信にもつなげられます。アナログとデジタルの特性を組み合わせることで、より持続的な顧客接点を築くことができるでしょう。

折込チラシは現代も有効な広告手段

デジタル広告が主流となった今も、新聞折込チラシは「地域密着」「即効性」という明確な強みを持つ広告手段です。特に新聞購読率が一定以上ある地域や、アナログ世代をターゲットとする場合には、デジタル以上の訴求力を発揮するケースも少なくありません。

また、配布エリアやタイミングを柔軟に調整できることから、商圏内に的確に情報を届けられる点も大きなメリットです。店舗集客やセール告知、イベント案内など、今すぐ知ってもらいたい情報を届ける手段として高い即効性が期待できます。

もちろん、デメリットや課題もあるため、チラシの内容設計や配布戦略、Webとの連携など工夫しながら活用することが大切です。ターゲットや目的に応じて正しく運用すれば、折込チラシは今なお実用性の高い販促ツールとして活躍してくれるでしょう。