マーケティング戦略
ラッピング広告とは、トラックやバス、電車などの車体に広告内容をプリントした特殊なフィルムを被せる手法です。「車体広告」とも呼ばれ、企業やサービスを広く周知できる一方で、費用や規制ルールなど事前に把握しておきたい点も多いでしょう。
本記事では、ラッピング広告とはどのような広告手法であるのか、効果や費用面も含めて具体的に解説します。プロモーション手法にお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
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ラッピング広告(車体広告)とは、車体外装を広告デザインで覆うことで、走行中や停車中に多くの人々に訴求できるプロモーション手法です。バスや電車といった公共交通機関から、トラックやタクシーなどの商用車まで、幅広く導入されています。
ラッピング広告とは、街中を移動する車両を活用したOOH広告(Out Of Home:屋外広告のこと)の一種です。主な特徴として、以下が挙げられます。
ラッピング広告は電車やトラック、バスなどの大型車両を選んだ場合、面積が大きく、街中を広範囲で移動できるため、多くの方に訴求できます。
加えて、繁華街や駅前、ターミナル駅内(電車)などの人流の多い場所に露出できるほか、観光地や住宅街ではインバウンドや地元住民を狙った訴求ができる点も特徴です。
車両の種類や訴求内容に応じて、幅広いプロモーション戦略を取れることが、ラッピング広告の魅力だといえます。
ラッピング広告を出稿できる車両の種類は、主に5つです。
都心部を走行するタクシーや電車は多くの人の目に留まりやすく、トラックや飛行機はラッピングの面積が大きいため遠くからでも見えやすいなど、特徴はそれぞれ異なります。
毎日同じルートを走行するバスのラッピング広告であれば、地域住民に何度も接触でき、認知度アップを目指せるでしょう。
車両の種類ごとに強みが異なるため、広告を出稿する際はターゲット層や出稿する目的から選ぶことが大切です。
ラッピングカーとは、車体に専用フィルムを貼って色やデザイン、質感を変えた車両全般を指します。そのため、個人が趣味でデザインしたものはもちろん、ラッピング広告を施した車両もすべてラッピングカーに含まれます。
ラッピングカー
アドトラック
ラッピング広告
ラッピング広告にはブランドの認知拡大を目的に会社名や商品名、ブランド名を大きく印刷することが多く、期間限定のキャンペーン告知や来店集客など短期で誘致を促したい場合はアドトラックが活用されることが多いです。
ただし、時にラッピング広告の中にアドトラックが含まれることもあるため、前後の文脈などを読み取るようにしましょう。
ラッピング広告は「動く広告」として注目を集めており、看板や紙媒体とは異なる強みや効果があります。ラッピング広告をプロモーション活動に取り入れる効果について、3つのポイントに分けて解説します。
ラッピング広告は車体全体に大きくデザインできるため、街中でも非常に目立ちます。
ラッピング広告は訴求できる面積が大きいだけでなく、車道や駅などに人の目線の高さで露出できます。ほかの広告に埋もれてしまうリスクを避けつつ設置できることが、大きな魅力だといえます。
また、駅前や公道などだれでも見られる場所に広告が露出されることになるため公共性が高く、自然と安心できる企業だというイメージを与えることができるでしょう。
ラッピング広告は電車やバス、タクシーなど人々の生活圏内に広告を掲示できます。特に電車やバスは同じ時刻に同じルートを運行するため、通勤や通学で繰り返し広告に触れることになるでしょう。
広告は繰り返し接触することで、記憶に残りやすく、好感も抱きやすくなります。心理学では「ザイオンス効果」とも呼ばれ、ラッピング広告により継続的な訴求を目指せるでしょう。
ザイオンス効果を含む、マーケティングやプロモーションに役立つ心理学については、以下の記事をご参考ください。
ラッピング広告は走行ルートが固定される場合も多く、地域密着型のプロモーション戦略においても効果を期待できます。
走行ルート近隣の施設やサービスを訴求するならバスを、都心部のビジネスパーソンや観光客に訴求するならタクシーが向いているでしょう。
また、電車は通勤・通学層に訴求できるほか、沿線にある施設への訴求にも効果的です。エリアごとに内容を変えて展開してもよいでしょう。
ラッピング広告の費用は、車両の種類や掲示期間により大きく変動します。
種類 | 費用相場 | 活用シーン |
---|---|---|
トラック | 9〜21万円/台(1か月) | 商品・サービスや企業の認知度拡大 |
バス | 30〜45万円/台(3か月) | 地域の施設やイベント・サービスの告知 |
タクシー | 20万円〜/台(1か月) | 高級ブランドやビジネスサービスの告知・ブランディング |
電車(JR東日本) | 280〜4,200万円(4週間) | 全国規模のキャンペーンや施設・イベントの告知 |
参照1:シンシアライン株式会社|トラック車両企業広告
参照2:阪急バス広告料金表
参照3:株式会社アスコン|料金表
参照4:交通広告ナビ|電車広告(車体広告)+JR東日本 料金
費用はあくまでも目安であり、期間やデザイン、路線、台数により大きく変動します。
特に都市圏を走行する場合や、電車に関しては山手線など利用者の多い沿線に出稿する場合は話題性・認知度ともに高い効果を期待できますが、費用が高額である点も把握しておく必要があります。
山手線のラッピング広告は1編成×2週間の最も安価な出稿でも660万円かかり、最も高価な10編成×2週間だと上に挙げた最高額の4,200万円かかる見込みです。(参照:前述)
加えて長期間にわたって掲出する際は、以下の費用もかかる可能性があります。
初期費用だけでなく運用コストも含めて検討することは、ラッピング広告の導入にあたって欠かせません。広告掲出の目的・目標をしっかり洗い出し、車両の選定や実施期間を検討しましょう。
ラッピング広告は高い訴求効果を期待できる一方で、導入する際に注意したい点もあります。ラッピング広告を出稿するなら特に知っておきたい2点を解説します。
ラッピング広告を出稿する際は、各自治体や交通事業者のルールや規制に従い、審査を受ける必要があります。
まず原則、車体に広告を出稿して公道を走行させるには、屋外広告業登録を済ませた事業者でなければいけません。同時に、屋外広告物条例を遵守し、公序良俗に反しない内容やデザインで出稿することが求められます。
参照:株式会社ワイエムジーワン「カーラッピングをする際に知っておきたい広告に関連する法律」
特に東京に関しては、アドトラックやラッピング広告の増加に伴い、派手な色合いやライトなどを用いてそれぞれ競うように目立たせるのが主流になったため、近隣住民などからクレームが相次ぎ、2011年に屋外広告物条例が改正されるに至りました。
それまでも電車やバスなどのラッピング広告はすでに取り入れていた、広告デザインに関する審査をアドトラックなどにも求めるように自主審査制度が設けられたのです。
参照:東京都屋外広告物条例
これは東京に限った話ではありますが、走行エリアによって景観保全の観点から表現が制限される可能性はおおいにあるでしょう。
自社広告を目立たせたいからといって、以下のようなデザインには注意してください。
ラッピング広告は公共の場を走行し、幼い子どもの視界に入る可能性もあるため、特に規制やルールが厳格に設けられています。
自治体や車両の種類、走行地域によってはアルコール類やギャンブルに関連する広告に制限がかかる場合もあるため、自治体ごとの規制ルールを確認のうえ出稿しましょう。
もし不適切だと見なされるような広告を露出した場合、ネガティブイメージがついてしまうことも考えられるため、数多くの屋外広告の実績を持つ代理店や制作会社に任せるのもひとつの手法です。
特に著名なタレントを起用してラッピング広告を制作したい場合は、タレントサブスクのSkettt(スケット)のご利用も検討してみてください。
月額10万円〜5,000名以上もの著名なタレントから自社に合った人物を選べ、企画から制作、マーケティング戦略まで一貫して任せることができます。
ラッピング広告に既存のキャラクターやロゴ、有名人の写真・イラストなどを使用する際は、必ず著作権・肖像権に関する許諾を取りましょう。
万が一権利を侵害するラッピング広告を出稿すれば、損害賠償請求や中止措置を取られるおそれがあります。たとえ著作者や著名人を貶めるつもりがなくても、許可なく無断で使用することはできません。
ラッピング広告に著名タレントを起用したい場合は、タレントサブスクのSketttの導入を検討してみてください。
ある程度人物やポーズ、イメージが決まっているのであれば、既存の写真・動画素材から提案することもでき、オリジナルのプロモーションにこだわりたいのであれば、企業ごとに最適なクリエイティブの制作やマーケティング戦略も任せられます。
交渉可能なタレントは5,000名以上で、俳優・モデル・芸人・アスリート・文化人など幅広く、最短契約期間は1か月のため、これまで著名人を広告に起用したことのない企業もトライしやすいでしょう。
ラッピング広告は、媒体ごとに訴求力やターゲット層が大きく異なります。そのため、ラッピング広告を出稿する際は、自社の商品やサービスをもとに、適した媒体や期間を検討することも欠かせません。
それぞれ車両ごとに特徴を挙げてみます。
トラックは、大きな車体全体に広告を掲示できるため、大きなインパクトを与えることができるでしょう。通常の乗用車よりも車高が高いため、遠方からも目立ちやすいのが強みです。
特に都心部をはじめ、人通りの多い場所を中心に走行するアドトラックは、認知度向上を目指すうえで大きなメリットが感じられるはずです。ただアドトラックは基本的に同じエリアを巡回するため、飽きられてしまうデメリットも考えられます。
短期間で爆発的な効果を望むよりも長期間で安定した効果を期待するのであれば、ラッピングトラックを選びましょう。
バスのラッピング広告は、近隣住民や地域利用者に訴求できます。バスは決まった時間・ルートで走行するため、通勤・通学など毎日利用する人は、頻繁に広告を目にするでしょう。
前述のとおり、繰り返し同じ広告に接触すると、記憶が定着しやすくなり、好感も抱きやすくなります。
また、バスは地域に根づいた移動手段として活用されるケースも多いため、地域イベントや自治体と連携したキャンペーンの訴求にも向いているでしょう。
電車は通勤・通学利用者、観光客を中心に幅広い層への訴求を見込めます。JR東日本の2024年の各駅の乗車人数についての発表によると、もっとも多かった新宿駅の1日の平均乗車数は66.5万人を超えており、多くの人へリーチできることがわかります。
参照:JR東日本「各駅の乗車人数 2024年度ベスト100」
デザインや企画次第では広告そのものが話題を呼び、SNSで拡散され、さらなる認知拡大を目指せることも強みです。
たとえば2022年10月には日本の鉄道開業150年を祝してJR東日本とネットフリックスがタッグ。緑色でおなじみの山手線をネットフリックスのロゴを想起させる黒色でフルラッピングし、「黒い山手線」と大きな話題を呼びました。
タクシーは都心部や観光地で特に利用されやすいため、一度に多くの人々の視界に入ります。公道を走行するため、利用者以外も広告に接触する機会を作れるというのが特徴でしょう。
また、タクシー利用者層には高所得者層やインバウンド観光客が多く、購買意欲の高い層に訴求できる点も強みです。
タクシー広告については以下の記事にて詳しく解説しているため、プロモーション戦略にお悩みの方はあわせて参考にしてください。
ラッピング広告を出稿する際は、媒体ごとの特徴や費用をもとに、自社のプロモーション戦略に合ったプランを企画することが大切です。長期的に認知度の向上を狙う、短期間で話題性を狙うなど、車両や走行エリアによって真逆のアプローチもできます。
掲出期間や媒体、企画次第でコストも変動するので、費用と効果の釣り合いが取れるかどうかも視野に入れて導入しましょう。なお、話題性や注目度を高めるのであれば、著名人を起用することもおすすめです。
タレントサブスク「Skettt」は、5,000名を超える著名タレントの中から自社の広告戦略に合った人材を起用することができます。広告制作のサポートも行っているため、タレントを起用したラッピング広告を検討している方は、ぜひSketttをご利用ください。
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