マーケティング戦略

TikTok Shop(ティックトック ショップ)は、ショート動画やライブ配信をきっかけにユーザーが興味を持った商品をそのまま購入できる仕組みで注目されています。アプリ内で完結できるため、新しいECのかたちとして活用されています。
一方で、「出店の方法は?」「手数料はいくら?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、TikTok Shopの基本から出店手順、手数料、クーポン活用のコツなどをわかりやすく解説します。

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SNS上の投稿を見て気になった商品をその場で購入できるソーシャルコマースが広がっており、TikTokもEC機能「TikTok Shop」を提供しています。ここでは、その詳細や日本においてサービスが開始された背景などを解説しましょう。
TikTok Shopは2024年6月30日より日本でも提供開始されました。国内で月間3,300万人以上がTikTokを利用しており、動画視聴をきっかけに商品購入につながるユーザーが増えつつあります。
参照:We Love Social「【2025年11月版】日本国内・国外人気SNSユーザー数ランキング|X(Twitter)、Instagram、TikTokなど15媒体」
商品を登録すれば、ショート動画やライブ配信を通じて直接ユーザーに販売することができ、視聴者は動画を見ながら気になった商品をその場で購入できます。動画視聴体験と購買行動がシームレスにつながる点が大きな魅力です。
主に次のような機能があります。
買い物カート付きショート動画(In-Feed Shoppable Video)
商品リンクが設置されたショート動画から、外部サイトへ遷移せずに購入することができます。
ライブコマース(LIVE Shopping)
ライブ配信で商品の特徴を紹介しながら、リアルタイムでユーザーの質問に対応しつつ販売につなげられます。
プロダクトショーケース(Product Showcase)
ブランドのプロフィールページで商品を一覧表示できる機能です。企業のTikTokアカウント上にミニECサイトを作るような感覚で、自由に構成できる点が特徴です。
ショップタブ(Shop Tab)
専用タブ内で商品を検索・閲覧・購入ができ、注文の管理まで一括で行えます。
その他にも、TikTok Shopには多彩な機能が用意されています。
参照:TikTok公式サイト「TikTok Shopを日本で提供開始!発見から購入までをアプリ内で完結し、新たな購買体験となる「ディスカバリーEコマース」を実現」
Instagramはブランドビジュアルの世界観を重視する傾向にあり、投稿によって関心を引くことができれば、より深く知りたいと感じたユーザーは外部の公式サイトに流入することも多いでしょう。
アプリから別のサイトへ遷移することで、よりじっくり検討する気持ちが高まりやすくなるため、比較的高価格帯の商品や、じっくり解説文を読み込んでから購入してほしい商品・サービスの訴求に向いているといえます。
TikTokはそもそも短尺の動画プラットフォームという特性上、ユーザーは興味のある・なしの判断をするスピードが速い傾向にあります。
そのため動画やライブ配信をきっかけに直感的に購入するユーザーに向いています。ターゲットに合わせ、短時間で購入を促すならTikTok Shop、ブランド体験重視ならInstagramショッピングと使い分けてみましょう。
Instagramショッピングについて、くわしくは以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
総務省の調査によると、TikTokの利用率は10代が約66%、20代が約52%、30代が約40%と若年層を中心に支持されています。
参照:総務省「「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表」
この特徴から、低価格で話題性のある商品(コスメや雑貨、お菓子など)との相性が良く、短期的な新規顧客獲得や売上向上を狙いやすいと考えられるでしょう。
衝動買いが起こりやすい仕組みのため、バイラルマーケティングやUGCを生み出すキャンペーンと組み合わせるのが効果的です。
バイラルマーケティングについてくわしくはこちらの記事で解説しています。

ここでは、TikTok Shopに出店する場合のメリット・デメリットを紹介します。
まずはTikTok Shopのメリットを見てみましょう。
TikTok上で発見から購入まで完結できるため、外部サイトへ遷移する場合と比べて離脱を防ぎやすいです。実際、TikTokユーザーの30%以上がコンテンツを見て商品やサービスを購入した経験があります。
参照:日経クロストレンド「新たな購買体験を提供する「ディスカバリーEコマース」」
さらに近年は「ディスカバリーコマース」と呼ばれる偶然の出合いから購買に至るケースが増えているので、潜在的な新規顧客にも自然にリーチできるでしょう。
TikTok Shopには、対価と引き換えにユーザーに商品を紹介してもらえるアフィリエイト機能があります。
そのため、インフルエンサーマーケティングやライブコマースと組み合わせやすく、アフィリエイト報酬は成功御報酬型のため、コストリスクを抑えながら効果的に販売促進できます。
なお、インフルエンサーマーケティングについては以下の記事をご覧ください。
TikTok Shopに出品している方は商品の割引クーポンを発行できます。キャンペーン期間や割引額を明確に設定し、動画やライブ配信を活用することで、限定感を高めると効果的でしょう。
続いてTikTok Shop出店時に注意すべき点を見てみましょう。
手動で在庫を管理した場合、注文増加により売り越してしまうリスクがあります。ほかの店舗と合わせて一元管理できるツールを導入することで対策可能です。
商品を紹介した投稿・商品そのもののページの閲覧率はTikTokのアルゴリズムに左右されるため、出品者がコントロールしにくい面があります。ただし、予想外の商品がヒットするチャンスがある点はメリットにもなり得ます。

TikTok Shopへの出店は、Seller Center(セラーセンター)でアカウントを作成し、事業情報を登録することで始められます。セラーセンターに新規登録するには、TikTokアカウント、またはメールアドレス、電話番号が必要です。
次に、個人事業主の場合は運転免許証やパスポート、法人の場合は登記事項証明書や代表者の身分証明書などを用意します。
参照:TikTokビジネスヘルプセンター「Seller CenterでTikTok Shopを設定する方法」
商品登録・ショップ開設の流れは以下のとおりです。

TikTok Shopは初期費用や月額費用がかからず、出店登録も無料で行えます。販売が成立した際にのみ手数料が発生する成果報酬型なので、コストを抑えて出店できるでしょう。
支払いと配送が完了した注文に対して、一律7%の販売手数料がかかります。この手数料には決済手数料も含まれています。
ただし2025年内にアカウント登録し、45日以内に3商品を出品した場合は、90日間、手数料が3%に優遇されます。つまり、出店初期は手数料3%で販売できるため、新規セラーは低コストで実績を積むチャンスがあります。
TikTok Shopは手数料や広告費などの金銭的負担を抑えながら、EC販売を始めやすい環境が整っているのです。

TikTok Shopで出品者が設定できるクーポンは大きく分けて2種類あります。1つはアプリ内で直接受け取れる通常クーポンで、ユーザーはクーポンバナーから対象クーポンをクリックして利用できます。
もう1つは「Tikポン」というTikTokポイントと交換して入手するクーポンで、ユーザーは友達招待やミッションをクリアすることでポイントを獲得し、クーポンに交換できます。
参照:TikTok「TikTokでお得なクーポン機能がスタート!ポイント機能の“Tikポン”も登場し、 参加企業も続々!」
集客効果を高めるには、キャンペーン期間や割引額を明確にし、SNS投稿やライブ配信と連動して告知することがポイントです。
特にライブ配信限定クーポン「LIVEクーポン」は、配信中のみ配布・使用できるため、限定感がユーザーの購買意欲を刺激しやすく、購入の決断を後押しします。
参照:TikTok Shop Academy「LIVEクーポン」
また、複数のクーポンを組み合わせられるようにすると、新規顧客獲得やリピーター育成に効果的でしょう。

TikTok Shopで売上を伸ばすには、動画やライブ配信からの導線設計を行うことが重要です。動画は冒頭1~2秒でユーザーの興味を引く構成やストーリー型の演出を取り入れ、画面の明るさや構図、音声の聞き取りやすさに配慮することで、購買意欲を高めましょう。
ライブ配信は、視聴者とのリアルタイムコミュニケーションやLIVEクーポンの活用で即決購入を促し、定期的な配信によってファン化を進めることが効果的です。
また商品タグやショップタグを活用して、視聴中のユーザーがそのまま購入ページに進めるルートを整えましょう。
さらに、影響力のあるインフルエンサー(TikTok Creator)とのコラボや、Seller Centerのインサイトを活用したデータ分析によって、どのコンテンツが成果につながりやすいかを把握し、改善を繰り返すことが売上アップのポイントです。
これらを組み合わせることで、初心者でも効果的に集客・収益を伸ばす運用が可能になるでしょう。
もちろん広告を打ち出すのも効果的です。TikTok広告の出稿方法は以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。

TikTok Shopは、出品者が手軽に商品を販売できるディスカバリーコマース型のECチャネルで、初期投資をかけなくても始めやすいのが魅力です。まずは少数の商品でテスト販売を行い、感覚や手応えをつかみましょう。
投稿やライブ配信と連動させることで購入意欲を刺激し、商品タグやショップタグでスムーズな購入導線を整えることも大切です。さらに、クーポンやプロモーションを上手に活用すれば、早期に出店を始めるメリットをさらに高められます。
特にSNS集客に強い事業者にとっては、効果を最大化しやすいおすすめのチャネルでしょう。
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