IP活用

今にわかにお守りがブームになっているのをご存じでしょうか。本来は厄除けや願掛けといった目的で身につけますが、サンリオキャラクターが描かれたものや平成レトロブームで再注目されているブランド「メゾピアノ」によるデザインなど、見た目で選ばれるケースが増えているのです。
いずれも取り扱っている神社でしか購入できない、あるいは販売前にきちんと祈祷されているなど、お守りとしての役目は果たしており、当然ながらキーチャームとは異なるのが特徴。
日本だけでなく韓国でも「오마모리(オマモリ)」として人気を集めており、2026年は幸運もかわいさも一気に手に入れてしまうのが主流になるかもしれません。

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多くの方がご存じのとおり、お守りそのものはわざわざ「定番アイテム」と取り上げることすらはばかられるほど昔から存在しています。神社がハローキティなどキャラクターIPとコラボするのも、実は今年始まったことではありません。
では、なぜ特にいま注目されているのでしょうか。
不確実な時代を表す語として「VUCA」が広まって久しい現代。昨今は改善に向かうというよりも、より危機感を強めた「BANI」という言葉が生まれるほど、深刻性が懸念されています。
Z世代やα世代といった若年層は、不安定な社会情勢を背景に、堅実な考え方を持つ傾向にあるとよくいわれますが、こんなご時世では将来を保証するものも見当たらず、大きな成功よりも今日を乗り切るきっかけこそが求められるものかもしれません。
お守りひとつで世界が変わる、とだれもが全幅の信頼を置いているわけではなく、また明日を無事に迎えられるおまじないを身につけたい方が多くても不思議はないでしょう。
昔からファッション誌に占いページが掲載されていたり、ゲン担ぎで風水を取り入れたコーディネートを組んだり、パワーストーンを用いたジュエリー、タロットや星座をモチーフにしたアパレルが作られたり、ファッションとスピリチュアルは近しい関係にありました。
実際、身につけるものはふとした瞬間に自身の目にも届くため、効力を抜きにしてもそれがお気に入りのデザインであれば気分が高揚し、よい影響を生むということはおおいにありえるでしょう。
昨今はMBTIやラブタイプ診断など、コミュニケーションの一環で個々を自らカテゴライズするケースも少なくなく、星座占いのようにそれぞれの属性ごとに運勢を見る機会も増えました。
その中にはラッキーカラーやラッキーアイテムなど、ファッションに取り入れられる要素がふくまれることも少なくありません。もちろん従うかどうかは個人の自由ですが、自身を表現する属性が増えた分、ファッションに関連づけられる選択肢も広がっているといえます。
こういった背景からファッションとスピリチュアルの境界線はより緩んできたと考えられ、その事実によってなおさら占いやタロット、そしてお守りといったものを「信じるか信じないか」ではなく、「楽しめるかどうか」を軸に選びとる機会が増えたのではないでしょうか。
実際に「スピ活」(「スピリチュアル活動」の略)と称して、観光がてらパワースポットに訪れたり、日常的に瞑想の時間を取り入れたり、従来の信仰よりももっと気軽にスピリチュアルな分野を楽しむ方も増えました。
特に、Y2Kブームやぬい活(ぬいぐるみを持ち歩き、着せ替えたり写真を撮ってSNSに投稿したりして楽しむこと)の浸透に伴って、バッグやボトムにキーチャームをつけることが定番化している現代は、サイズ的にもファッションに取り入れやすいお守りをスマホカバーやバッグにつける習慣が広まっても不思議ではないでしょう。
SNS時代を生きる現代人、特に若年層にとって、写真や動画で日常の記録を残し発信することはあまりに習慣として根づいています。たとえば人気のキャラクターの絵柄が描かれたお守りを購入したら、その写真を撮ってInstagramなどに投稿する人も少なくないでしょう。
その際に伝えられる情報は、「お守りを買った」という事実だけではなく、そのキャラクターの絵柄を用いたお守りが入手できる神社、また、学業成就のお守りを選んだ学生の場合はテストや受験に向けてがんばっている姿勢、商売繁盛を選んだ個人事業主は日々経営に励んでいる様子などもふくまれるかもしれません。
特に前々から志望校について、あるいは自店について発言している場合は、この投稿をきっかけに友人やフォロワーとの交流が深まるということもあるでしょう。
お守りには願いを叶えたり災難をよけたり、といったご利益があり、基本的に人々はそれを目的に購入すると考えられるため、フォトジェニックなだけでなく、投稿したユーザーの背景までストーリー性をもって発信することができるとも捉えられるのです。
自己表現のひとつにも、コミュニケーションツールにもなりえるというのは、いうまでもなく現代にマッチしたオブジェクトといえるでしょう。

先に軽く触れましたが、お守りにはご利益があるため、いわば“買う意味を持たされた”プロダクトといえます。作られる時点で存在意義があるということは、それだけで物語性や性格を宿しているともいえるでしょう。
心に抱く望みは人それぞれであり、なにをもってどんな目的でそれを選ぶか、という点に個人の思いや背景が強く反映されるからです。たとえばどんなときにどこでそのお守りを授かったか、印象深く記憶に残っているケースも少なくないでしょう。
具体的には「受験前に親が買って来てくれた」「部活のメンバー同士おそろいで買った」「失恋したときに普段行かない遠方の神社まで足を運んだ」など、持ち主にとってはお守りという存在自体が小さなストーリーを抱えていることもあるのではないでしょうか。
そして物語を持ったオブジェクトは愛着も持たれやすく、特に日常的に持ち歩くというお守りの性質上、なおさらなじみ深く感じられるはずです。
なかには「いつもこのお守りが守ってくれた」と感じたり、落としてしまったときに思わず「ごめんね」と謝ってしまったり、無意識のうちに擬人化して扱う人もいるでしょう。
このようにお守りは最初から人格を受け入れる器として成立しているため、キャラクターIPともマッチしやすいのです。特にもともと好きなキャラクターであればなおさら「この子が守ってくれそう」と好意的に捉えられると考えられます。
それでは具体的にキャラクターIPやブランドIPをデザインに落とし込んだかわいいお守りの実例を紹介します(2026年1月時点)。
まずはキティちゃんをふくむサンリオキャラクターのお守り。その全国的な知名度と人気から各地に取り扱う神社が存在しています。

原宿駅から徒歩3分というアクセスの東郷神社は東郷平八郎命を祀り、至誠・勝利・強運・縁結びの神様として国内外問わず幅広い年代の方から崇敬を集める神社です。
こちらではハローキティのお守り2種(健康守、交通安全)、マイメロディのお守り1種(健康守)にくわえ、「キャラクター健康守」はクロミやシナモロール、リトルツインスターズなど20種類の絵柄から選べます。(20種類の中にはハローキティ、マイメロディの別デザインのお守りもあります)
水兵さんの衣装に身を包んだハローキティの健康守やハローキティ御朱印帳は、東郷神社でしか手に入らない限定品で、ジャパニーズカワイイカルチャーが根づく原宿という地ならではの文化発信力です。
昨今多くの神社でハローキティモチーフを見ることができますが、そのはじまりは東郷神社だそう。また、BEAMSとのコラボお守りも取り揃えるなど、ファッションの街としての矜持も感じられます。
【アクセス】
東京都渋谷区神宮前1−5−3
JR「原宿駅」より徒歩3分、東京メトロ(千代田線・副都心線)「明治神宮前駅」5番出口より徒歩5分
「キティちゃんがいる神社」として全国のキティラー(キティグッズを収集する熱心なファン)から知られている吉祥院天満宮は、菅原道真公生誕の地とされる初の天満宮です。
公式サイトはありませんが、InstagramなどSNS上で地名検索すると参詣者が撮影した境内の様子を確認することができるでしょう。ハローキティのオブジェやマスコット付きおみくじ、御朱印など、キティラーでなくても楽しめる要素が詰まっています。
ハローキティデザインのお守りの種類も、幸せ鈴守や安産御守、交通安全リボン御守など豊富で、さらにキティだけではなくマイメロディのお守りも取り扱っているため、目移りしてしまうかもしれません。
【アクセス】
京都府京都市南区吉祥院政所町3
・JR京都線「西大路駅」から徒歩15分
・京都市バス「西大路九条」から徒歩10分、京都市バス「吉祥院天満宮前」から徒歩5分

平安時代に三河国の国司だった大江定基が国の安泰を祈念し、出雲大社から大国主命の分霊を迎え入れたのがはじまりとされる大社神社。
長い歴史を抱えながら新しい文化を受け入れるように、公式サイト上でおみくじを引くことができたり、ネット通販を行ったりしています。
キャラクターが描かれたかわいいお守りも豊富で、ハローキティやマイメロディ、けろけろけろっぴ、リトルツインスターズといったサンリオキャラクター以外に、ウルトラマンや豊川市のご当地キャラ「いなりん」など、選ぶのも楽しいラインナップです。
【アクセス】
愛知県豊川市国府町流霞5
・名古屋鉄道「国府駅」から徒歩10分
・音羽蒲郡ICから車で約10分、豊川ICから車で約30分
ファッションブランドと神社がコラボしたり、そもそもファッションブランドが自主的に販売していたり、トレンドに敏感なオピニオンリーダーも注目のおしゃれなお守りをご紹介。

伊勢神宮内宮にお祀りされる天照大神の和魂(にぎみたま)、あるいは妹神として伝えられている稚日女尊(わかひるめのみこと)がご祭神の生田神社。
稚日女尊は機織りの神として知られており、糸と糸を織り成すように良きご縁を結ぶということで、縁結びをベースにさまざまなお守りが用意されています。
定番となった人気のお守りは、神戸で創業されたベビー・子ども服のファミリアとコラボしたもの。2021年にブランドのアイコンであるくまをモチーフに「育守(はぐくまもり)」を開発して以降、毎年授与されるようになりました。
ほかに祈願絵馬(はぐくま)や御朱印帳、御朱印帳手提げ袋などもコラボ展開しており、毎年初詣の時期は争奪戦になるほどの人気ぶりです。
【アクセス】
兵庫県神戸市中央区下山手通1丁目2-1
JR「三ノ宮駅」私鉄各線「三宮駅」から徒歩10分、JR「新神戸駅」(新幹線)から徒歩20分・タクシーで約5分

海上交通の神として崇敬されてきた宗像三女神を主祭神としてお祀りする元町厳島神社。一方、近沢レースといえば同じく横浜本町に本店を構える老舗レース専門店。
元町厳島神社は1923年の関東大震災によって社殿を倒壊消失したため現在の場所に移転したのですが、その後も1945年に横浜大空襲により再び消失してしまうという災難に見舞われました。さらに2019年には台風15号を受けて一部損傷。
そこで近沢レースが立ち上がり、コラボタオルハンカチを作成することになりました。その売り上げの半分は奉賛金として納めることが決まっています。
近沢レースのタオルハンカチといえば、繊細なつくりながら実用性もあり、特に人気の定番アイテム。元町厳島神社とのコラボデザインももちろん、創業120年以上もの熟練技を感じさせる仕上がりで、購入者には御神璽(ごしんじ)の入ったお守りが渡されます。
【アクセス】
神奈川県横浜市中区元町5丁目208
・JR線「石川町(元町・中華街)駅」から徒歩6分、みなとみらい線「元町・中華街駅」から徒歩8分
・「元町」バス停から徒歩2分、「代官坂上」バス停から徒歩6分、「山手町」バス停から徒歩6分
(近沢レースとのコラボタオルハンカチは近沢レースオンラインショップ及び元町本店のみでの販売です

あまりの人気ぶりに即完売してしまいましたが、2026年始はナルミヤ・インターナショナルの人気ジュニアブランド「mezzo piano(メゾ ピアノ)」のお守りも大きな話題を呼んだため、紹介します。
「芸事お守り」ということで舞台の成功はもちろん、勝負必勝、願望成就、心身健康の願いが込められており、芸能・芸術・技芸の神である天宇売命(あめのうずめのみこと)を祀る京都・嵐山の車折神社にてご祈祷のうえ、店頭に並びました。
オーディションなどに向けて励む友人やお子さまへのプレゼントにも喜ばれそうなデザインは、透け感のある素材にスカラップ、そして花や音符といった模様の刺繍が施されており、SNS上などでは自分用に購入した大人の方の投稿も見られます。
そもそもメゾ ピアノ、ひいてはその母体であるナルミヤ・インターナショナルといえば平成を彩る“平成女児”ブランド。昨今の平成ブームに伴い、自社アパレル製品はもとより、他社コラボも積極的に展開しています。
特にメゾ ピアノ ジュニアのオリジナルキャラクター「ペリエちゃん」は、サンリオや他社アパレルブランドpiumなどと何度もタッグを組んでおり、もはや独り歩き状態。
2000年代に同ブランドのファンだった、かつての少女たちが、今またその変わらぬ魅力に触れることで、当時の“守られる”立場だった記憶に再接続しているのかもしれないと考えると、お守りというプロダクトは実にマッチしているのではないでしょうか。
次は『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』も公開192日間で興収391.4億円を突破するなど絶好調の『鬼滅の刃』シリーズや、『ユニコ』『火の鳥』といった名作を生み出した巨匠 手塚治虫さんの世界に触れられるお守りのご紹介。

『鬼滅の刃』ファンが聖地として巡礼する八幡竈門神社。主人公 炭治郎やその妹 禰󠄀豆子の名字である「竈門」を冠しているだけでなく、境内に鬼が忘れた石草履や鬼が作ったという言い伝えのある九十九段の石段があるなど、漫画の世界観と親和性を感じます。しかもそのなかで『鬼滅の刃』の設定同様、鬼の弱点が太陽の光であることも伝えられています。
さらには竈門家に代々受け継がれる「ヒノカミ神楽」を想起させる「かまど神楽」という舞楽が伝わっていたり、春分の日、秋分の日には鳥居の中心水平線より朝日が昇り、炭治郎がつけている耳飾りの日章に似た景色を見ることができたり、といった点から、この神社が主人公の名前の由来なのではないかと噂されているようです。
そんな同作ファンも楽しめる極めつけは、メインキャラクター竈門炭治郎や禰󠄀豆子、我妻善逸を彷彿させるカラーバリエーションのお守りがそろっていること。推し活しながらご祈願できる場所はそうそうないでしょう。
【アクセス】
大分県別府市大字内竈1900番地
・JR「亀川駅」から車で徒歩20分・車で3分、JR「別府駅」から車で15分
・大分交通87番 関の江団地循環線「矢黒入口」バス停から徒歩5分、「内竈入口」バス停から徒歩10分
・かまど地獄から車で8分、龍巻・血の池地獄から車で3分・徒歩20分、別府国際観光港から車で12分、別府インターチェンジから車で15分

1627年に創建された上野東照宮。東照宮とは徳川家康公(東照大権現)を神様としてお祀りする神社を指し、全国に存在しますが、なかでも当宮は出世、勝利、健康長寿に特にご利益があるそうです。
こちらでは手塚治虫氏の人気作品『ユニコ』のお守りを授かることができます。ユニコは心の清らかな美女プシケのペットだったユニコーンの子どもで、人から愛されるとその人を幸せにする魔法を使えることができるという不思議なキャラクター。ストーリーもさることながら、その愛らしい見た目からファンも多いです。
ユニコーン(一角獣)は馬とは異なる生物ですが、一部似た特徴を持つため、午年である2026年始は特に話題になりました。ほかにパンダのお守りなど、上野という土地に由来するデザインもあり、観光の際に寄り道する方も多いのではないでしょうか。
【アクセス】
東京都台東区上野公園 9-88
JR「上野駅」公園口から徒歩10分、東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」から徒歩10分、京成線「京成上野駅」から徒歩12分

かつて常陸国の中心地である国府があった場所に創建された常陸国総社宮。総社とは、それぞれの律令国に鎮まる八百万の神々を国衙近くの一箇所に合祀した神社のことで、「総社に詣でるは、数多の社に詣でるが如し」といわれています。
常陸国総社宮では手塚治虫氏の『火の鳥』に登場するヤマトタケルのイラストを用いたお守りや絵馬などが授かれるのですが、当宮と手塚治虫氏、そしてヤマトタケルには深い関係があるようです。
まず、常陸国総社宮を構える石岡市が府中松平藩と呼ばれていた江戸時代末期、藩主・松平播磨守に仕えた手塚良庵という藩医がおり、その人こそが手塚治虫氏の先祖であるということ。
そして『常陸国風土記』には数多くの倭武天皇(ヤマトタケルノミコト)の伝説が残されており、しかもミコトが腰かけたと伝わる聖なる石「倭武天皇腰掛石」が境内にあるということ。
こういった点から、2013年より手塚プロダクションの協力を得て、手塚治虫氏の『火の鳥』ヤマト編を象った授与品の頒布を開始したそうです。
【アクセス】
茨城県石岡市総社2丁目8-1
・JR常磐線「石岡駅」から徒歩20分
・「①番乗り場、フラワーパーク経由、八郷小幡・柿岡車庫行き」のバス「宮下バス停」から徒歩3分
当記事ではサンリオキャラクターやファッションブランドとのコラボや漫画、アニメを想起させるお守りに絞って紹介しましたが、全国にはほかにも数々の著名IPとタッグを組んだお守りが存在します。
なぜ由緒正しい伝統の続く神社がキャラクターIPとコラボするのか、その理由のひとつに若年層との接点づくりが挙げられるでしょう。
初詣は今なお多くの日本人にとって風習として定着していますが、「かわいいお守り」が、新年を迎えたとき以外も気軽に参拝する機会をつくっていると考えられます。それが結果的に文化継承につながることもあるでしょう。
今回ご紹介したのはいずれも神社仏閣が商業化した例ではなく、SNS時代にタッチポイントをアップデートしているという例であり、入り口を広くすることで、たとえば悩みを抱えているけれど二の足を踏んでしまう方の背中を押すことにつながっているといえます。

実はいま韓国でもお守りブームが起きています。渦中にいる方の中には、むしろ韓国発のトレンドとして逆輸入的に楽しんでいる方もいるかもしれません。Instagram上で「#오마모리」(オマモリ)と検索すると、さまざまなかわいらしいお守りを見つけることができます。
これまでお守りは韓国語でいうと「부적(プチョク)」という言葉が一般的だったのですが、現在散見されるのは「오마모리(オマモリ)」という言葉。発音から日本語の「お守り」に由来していることは明白です。
韓国では現在、ファッションや食、アニメ・音楽などのカルチャー、ライフスタイルにおいて日本ブーム「日流(イルリュ)」が起きているといわれており、お守りブームもその流れを汲んで広まった可能性があります。
つまり、日韓においてほぼ同時に流行し、そのうえで双方が双方の影響を受け、相乗効果でより大きなムーブメントになりつつあるということではないでしょうか。
日流として特に知られているのはドラマ『孤独のグルメ』シリーズ、及びその主演の松重豊さん、漫画・アニメ『スラムダンク』、映画『海街diary』、YOASOBIやAdoといったところですが、伝統工芸品に魅力を見出す方も少なくないようで、お守りはどちらかというとエンタメコンテンツではなく文化に触れるなかで見つけられたのかもしれません。
特にキャラクターやブランドとコラボしたデザインは日常的にも取り入れやすく、あえて翻訳されず「オマモリ」と語句の持つイントネーションがそのまま引き継がれている点に注目すると、内包されているスピリチュアルな意味よりもスタイルが気に入られていると想定できます。
「プチョク」として捉えるのではなく、外来語の「オマモリ」として受け入れることで、それの持つ効能や正しい信仰方法の理解を必要とせず、もっと気軽に気分で選び取れるという軽いニュアンスに気がつくのではないでしょうか。
「こうしなきゃいけない」と制限して間口を狭めるのではなく、余白を残しておくことで、あくまで「今の自分のおまじない」くらいの気持ちで他国の文化に触れるチャンスを得られるように感じます。
結果として、韓国内でもさまざまなキャラクター、ブランドとコラボしたオマモリが販売されているので、国内外問わずIPの汎用性がうかがえるようです。
また、韓国のお守りブームは推し活とも密接関係にあり、キャラクターお守りだけでなく、カラーバリエーションの豊富なカード型お守りも主流。推しのメンカラ(メンバーカラー)を持ち歩き、その人の幸運やライブに訪れる際の自身の良席を祈願することもあるようです。
「ウィッシュコア」と呼ばれるトレンドスタイルの影響で、透明感のあるアクリルカードのものも多く、ますますファッションとの強い結びつきを感じます。カード型お守りは財布やポケットなどに入れて持ち運びやすいため、渡韓予定の方はお土産に買って帰ると喜ばれるかもしれません。
なおウィッシュコアとは、K-POPボーイズグループのNCT WISHに由来した、天使の羽やパステルカラー、ハートといった幻想的な世界観を表現したもので、日本でもひとつのジャンルとなっている「ゆめかわいい」雰囲気と通じ、人気が高いです。

お守りは“身につける信仰”ともいえる縁起物ではありますが、今はデザインの幅も広がり、ファッションに近しい文脈でムーブメントを起こしています。神社仏閣が一方的に価値を与えるのではなく、持つ者の解釈によって完成するといえるでしょう。
願いや思い出といった、接続する未来と抱えてきた記憶を今の自身につなぐ手段として柔軟に成立しているからこそ、さまざまなキャラクターやブランドといったIPとマッチすることができるのです。
このブームが新年の幕開けという一時的なものではなく、今後も長く続けば、伝統と現代人をつなぐ大きな架け橋になるかもしれません。
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