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今年も2/22=猫の日がやってきました!毎年、猫好きを歓喜させるようなコンテンツやイベントが各地で展開されますが、当メディアでは「広告」に焦点を当て、猫の出演するCMのイメージの変化についてお伝えしたいと思います。
Snow Manの佐久間大介さんや黒木華さん、竹野内豊さん出演CM、猫ファンの間で定評のあるYKKのCM、そして公開直後から話題のイエローハットのプロジェクトなど、実例を紹介しながら今らしい広告づくりの“正解”を模索してみましょう。

タレント×マーケティングで
成果を最大化

江戸時代の浮世絵の中にも猫が描かれているとおり、人間と猫の関係には長い歴史があります。特に近年においては、コロナ禍のステイホーム期間をきっかけに猫ブームが起きて以降、今なおその人気は衰えることを知りません。
それにあやかって商品パッケージに猫のイラストを描いたり、プロダクトデザインの一部に猫の耳やしっぽを投影させたりするブランドも多く見られます。
関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、「ネコノミクス」ともいわれる2026年の猫関連グッズなどの経済効果は2兆9,488億円。昨年よりも約400億円も増加しており、その経済効果は大阪関西万博に匹敵するといわれています。
参照:TBS NEWS DIG
広告業界においては「猫を出演させれば売り上げが上がる」といわれて久しく、実際、日常的に猫の出演するCMを目にするという方も多いでしょう。
「新宿東口の猫」の名でおなじみの、新宿駅東口のクロス新宿ビジョンに“住む”3D猫の映像が2021年に設置・放映が開始された直後は、立ち止まって視聴、撮影する人々による混雑が発生するほどの人気ぶりが話題になり、ネット上でも2024年に猫ミームが爆発的に流行するなど、頻繁に猫は社会現象を生み出しています。
なお、猫ミームをふくむミームによるマーケティング効果については、以下の記事にてくわしく解説しているので、気になる方はあわせてご覧ください。
猫のここまでの人気の理由は唯一無二の愛くるしさによるところが大きいというのは想像に容易いですが、CMに起用した場合、そのCMの認知力が上昇するのみならず、好意度も上昇することがわかっています。
ビデオリサーチの調査によると、猫の出演するCMと出演しないCMを比べたときに、広告認知率が15歳〜69歳の男女において4.2%も上昇しており、特に35歳〜49歳の男性、20歳〜34歳、35歳〜49歳の女性においては5%以上も上昇することがわかっています。
さらには、広告好意度も15歳〜69歳の男女において5.2%も上昇。特に20歳〜34歳の女性は7.1%も上昇するという顕著な結果が見られます。
参照:VR Digest「猫とTVCMの親和性をひも解く 〜猫の手を借りれば広告効果UP!?〜」
いずれも2015年〜2020年に行われた調査ではありますが、前述のとおり猫人気は未だ継続中なので、現在も引き続きよい効果が得られると推測できるでしょう。
なぜここまでの効果を期待できるのか考えてみると、以下のような項目が浮かび上がります。
それぞれ細かく考えてみましょう。
炎上リスクを考えた際に、もとより政治性や思想性、対立軸を持たない猫はそもそもNG要素が少ないことに気づくでしょう。
SNSの普及により、あらゆる情報が即時性を持つ今、認知拡大を狙う場合のみならず、誤った情報や受け手の誤読による意図せぬ解釈も即座に拡散されてしまう危険性を孕んでいます。
自社広告にタレントを起用する際には、そういったリスクも考えて慎重にキャスティングしなければなりません。しかしそういった懸念点を持たない猫は、争いを生まない存在といえます。
そのため、広告に猫を起用すると受け手の心理的バリアが解かれやすくなり、商品説明も拒否されにくくなることが期待できるでしょう。
ただし、後述する内容にも関わりますが、過度な演出や不自然な演技など猫のストレスになりえる手法で制作してしまうと、一気に受け手の温度は下がってしまう可能性があるため、注意が必要です。
好印象を受けるブランドについて説明するとき「ぬくもりがある」「あたたかい印象」といった言葉で表現することはありませんか。
ぬくもりを感じるブランドには、物語性を感じられたり、コンセプトやブランドイメージに共感したりするものです。もちろんそうではないブランドが悪いというわけではありません。
ですが、たとえば猫と一緒に暮らす家でほっこり一息ついている様子などを描いたCMを見ると、生活感にリアリティが増し、自然とその立場を自身と置き換えて想像してみるなど、身近に感じるものではないでしょうか。
情報もプロダクトも飽和状態にある現代においては、価格や機能など合理的な面を訴求するよりも、ユーザーの感情を刺激することが重視されるようになりました。
その観点においては、ブランドに体温を感じさせるというのは効率的と捉えられ、猫にはブランドの情緒的資産を増やすことが期待できるのです。
広告は動画だけではありません。画像1枚で多くの効果を生み出すケースもあるでしょう。また、動画広告のみを配信しても、その一部を切り抜いて静止画として拡散される可能性も考えられます。
猫は動かずにそこに佇んでいるだけでも、表情や仕草ひとつで物語性を持つものです。人々の心になんとなく愛着を生み、それがブランドを知る、あるいはファン化につながるきっかけになることも考えられるでしょう。
画像は動画よりも容量が少ないため、シェアしやすいという特徴も持っています。保存されて繰り返し見返すコンテンツになったり、二次拡散されることもあるかもしれません。また、動画広告のサムネに利用することも可能です。
つまり、猫は広告の“再配布耐性”が非常に高い存在といえるでしょう。
2026年2月19日に公開され、その直後から話題のメルカードのCM「好きがある世界」篇。
Snow Manの佐久間大介さんが「メルカードニキ」として好きなもの・ことをもっと楽しもうとメルカードとともに背中を押すというストーリーですが、特にX上のファンによる投稿を見ると、猫好きの佐久間さんが猫と共演していることを喜ぶ声が多く見られます。
ちょうど昨日2月21日(土)にも、MCとしてレギュラー出演しているテレビ番組『サクサクヒムヒム ☆推しの降る夜☆』(日本テレビ)にて「猫写真集」をテーマに猫と共演していた佐久間さん。
愛猫家としても広く知られており、同じく猫好きで保護猫活動も積極的に行っている芸人のサンシャイン池崎さんを師匠と仰ぎ、その影響で実際に保護猫を2匹お迎えし、ツナとシャチと名づけ今も仲良く暮らしているそうです。
しかも、もともとは猫アレルギーの兆候が見られたのに、整体の先生に果糖やフルーツジュースを控えたら改善すると聞き、実践して自ら体質を変化させた(ご自身が過去にインスタライブで発言)という猫への強大な愛の持ち主。
猫の出演するCMは数多く存在しますが、そもそも猫は基本的に人の多い場所や騒がしい場所が得意ではない傾向にあり、多くの関係者の滞在や長時間の拘束がつきものである広告制作現場は不向きとも考えられます。
ですが佐久間さんといえば、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』の姉妹番組『わんにゃん観察バラエティ アニマリング』(TBS)にて、寝つきの悪い子猫の寝かせつけに成功したり、運動嫌いな猫をおもちゃを使ってうまく走らせたり、「猫マスター」としての顔も有名。
今回のCMのメイキング動画の中でも、共演した猫(茶太郎)をあやしている佐久間さんの姿を見ることができます。
普段から猫の生態にくわしい方と共演する撮影現場であれば、ストレスも軽減されながら制作されたのではないかと想像でき、安心する方も多いのではないでしょうか。
金麦のCMといえば黒木華さんと竹野内豊さん、という方程式がすでにできあがっているように感じますが、2026年2月2日に公開された「いつもの帰り道」篇ではお二人だけでなく猫も存在感たっぷりに出演しています。
黒木さんも愛猫家として広く知られており、その影響もあってかテレビドラマ版『グーグーだって猫である』(WOWOW、2014年〜2016年)や『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』(フジテレビ系、2022年)、大河ドラマ『光る君へ』(NHK、2024年)など、猫との共演作も多いです。
プライベートではアビシニアンのGris(グリ)を飼っており、時折トーク番組などでその暮らしぶりについて語っています。
また竹野内豊さんもなにかと猫と縁があり、ドラマ『グッドパートナー 無敵の弁護士』(テレビ朝日系、2016年)の撮影中に猫とたわむれるオフショットが公式Instagram上で投稿されて話題になったり、2024年には森永乳業のアイス「PARMチョコレート」のCM撮影中にたまたま野良猫が竹之内さんに懐いたため、そのまま出演させるといったこともありました。
参照1:『グッドパートナー 無敵の弁護士』公式Instagram(2016年4月2日)
参照2:日刊スポーツ「竹野内豊、俳優デビュー30周年「なかなかうまくいかないのが人生」俳優としての“進化”語る」
猫は威圧的な人を好まず、穏やかで物静かな人に懐きやすいといわれますが、そういった点で竹之内さんは猫たちをも虜にしてしまうのか、他にも猫との共演は多く経験されているので、黒木さん同様、猫の自然体な仕草を引き出すことに長けていそうです。
なお出演している猫は、ペットモデル・動物プロダクション エムドッグスに所属しているナギとチャクラ。どちらもミックス猫でそれぞれ違った魅力を放っています。
参照:ペットモデル・動物プロダクション エムドッグス「サントリー金麦TV-CM「彼のいつもの帰り道」篇 にペットモデル「ナギ」「チャクラ」が出演!」
ペットモデルやその事務所についてくわしく知りたい方は以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
猫が交通事故に遭いやすいというのはよく聞く話。というのも猫は寒さに弱く、特に冬は車の中に潜んで雨風を防いで暖をとろうとする本能が働いたり、また体の構造上、素早く後退することが難しいという性質もあるため、飛び出した先で車と衝突してしまったりするためです。
そこで、イエローハットが2026年2月16日に始めた「交通にゃん全運動2026」が注目されています。猫の事故を減らすための啓蒙活動にくわえ、保護猫団体への寄付、店舗での保護猫譲渡会を実施。実は2019年から毎年行っており、猫好きの間では既に多くの支持を集めています。
スマホやタブレット上に募金額を決めるルーレットを表示させ、猫がパンチをして(もちろん人間も参加できます)止まった金額を保護猫活動に募金できるというキャンペーンは明日2月23日(月祝)23:59までなので、気になる方はチェックしてみてください。
また上のテレビCMで紹介されているとおり、「プロジェクトNYAR(ニャー)」と題し、猫に安全な次世代カーの開発にも挑戦中。2月23日までCM内に登場したNYARの模型が当たるキャンペーンを実施しているので、こちらも気になる方はチェックしてみましょう。
全国に根づいた地域猫活動によって野良猫も以前よりは減少しつつありますが、それでも事故リスクはなくなりません。
特に野良猫や地域猫の存在は街の風景のひとつでもあり、多くの人々に望まれているため、今後どんなに去勢や避妊が広まっても完全に外猫がいなくなることはないこと、そして近年はエンジン音のない車も増えていることを考えると、ますます事故の可能性を深刻に捉えたほうがよいでしょう。
イエローハットのCMは改めてそのことに気づかせてくれるアラームのような面をもって、年々広がりつづけているのです。事業に直接的に結びつく内容ではありませんが、自社の社会に与えるインパクトがどのような影響をもたらすかをきちんと考えられている施策といえるでしょう。
猫の出演するCMと聞いて真っ先にYKK APの「窓と猫の物語」シリーズが思い浮かぶ方も少なくないかもしれません。
窓やサッシ、ドア、カーテンウォールといった商品を取り扱うYKK APは、2014年より同シリーズのCMを制作、放映しており、人間が登場するときもありますが、本作のように登場しなくても人々のあたたかな暮らしを彷彿とさせる描写で知られています。
上の最新作「おとなりさん」篇は2026年2月20日より公開。猫だけでなく犬も登場し、互いの交流を描いています。同時に公開されたメイキング動画を見ると、おやつやおもちゃなどをもらいながら望まれた演技に挑む一方で、のびのびと過ごしている猫や犬の姿が見られ、好印象です。
同シリーズのCMは毎回、猫をはじめ出演する動物の自然体な演技を楽しめるのが特徴。映画のようなおしゃれな家の中で、窓から差し込む太陽光に合わせて猫が移動していく様を長くおさめたものなど、商品やサービスを直接的に訴求するのではなく、あくまでもブランドイメージを伝えています。
そもそも窓というのは、建物の中と外をつなぐ手段。家によって形も異なれば、ライフスタイルによって周りに配置されるものや装飾も異なります。それは住む人の生活を感じさせ、あるいは普段室内にこもっている猫に天気の変化を伝えることもあるでしょう。
日々を過ごす時間そのものにドラマがあり、派手な演出をしなくても、商品の機能性を直接訴求しなくても、なんとなくその必要性に気づいたり、なんとなくYKK APというブランドに好感を抱いたりするという方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介したCMはいずれも話題性があり、支持されているものです。これらに共通点はあるでしょうか。
まず挙げられるのは、佐久間大介さんや黒木華さん、竹野内豊さんといった猫と親和性の高い人物の起用。タレントのパーソナリティによって、本来商品をアピールする目的である広告に対する“違和感”を排除しています。
また日常に猫がいるリアリティも表現することができるので、より受け手に現実のこととして広告を受け止めてもらいやすくなるでしょう。
くわえて近年はSNSの発展により、生活者の“作為検知能力”も高まっています。猫ミームのように、猫という生き物としての質が薄れてひとつの素材として活用されるまでに至ればまた別軸で語る必要がありますが、広告に出演する猫は生身なので、強引な演技や盛られた表現が取り入れられていれば敏感に察知するでしょう。なかには不快感を示す人が現れても不思議はありません。
できる限り作為性を取り除いて制作された広告は受け入れられやすく、そして拒まれにくい広告は繰り返し視聴してもストレスになりにくいです。むしろ何度も視聴することで記憶に刻まれ、ブランド想起率が高まる可能性もあるでしょう。
そのうえで、広告価値が高いといわれている猫を「利用する」のではなく「守る」という姿勢が見えると、よりブランドに対する好感も抱かれやすくなるのではないでしょうか。
イエローハットのCMはそのまま猫を保護するための啓蒙活動ですが、猫に過度な演技を強いることなく制作された他のCMにも猫への配慮が感じられます。
出演者である猫にコンセプトを押しつけないことで、広告を見る私たちもストーリーを押しつけられることなく、それを視聴することができるはずです。その余白は、その商品やブランドを自身であればどう活用するかと想像させる手助けをすることもあるでしょう。
特に猫ブーム全盛期だったコロナ禍=2020年代前半は、猫は強いアテンション装置として広告に起用されることもしばしば見られました。けれど2026年現在は動物愛護の観点もふまえ、出演する猫に無理をさせない制作姿勢が評価されるようになったのです。
これだけ情報が飽和している時代なので、脈絡のない猫の起用や強引な演出はもう通用しません。猫はこれからもなお広告界においても根強い人気を誇ることは間違いありませんが、そのかわいさを搾取するのではなく、尊重することを一番に考えるべきでしょう。
なお、Skettt(スケット)を利用すれば、従来のキャスティング方法よりも気軽に自社広告に猫好きタレントを起用することができます。契約期間も最短1か月〜とトライしやすく、5,000名以上の著名タレントと交渉可能なので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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