マーケティング戦略

プレイアブル広告は、ユーザーが実際に操作して体験できるインタラクティブな広告フォーマットです。近年、ゲームアプリをはじめとしたモバイル広告の現場で導入が増え、従来のバナー・動画広告とは異なる高いエンゲージメントやコンバージョン効果が期待されています。
本記事では、仕組みややり方、主要な媒体、効果のポイント、そして「うざい」と感じられてしまう可能性などについて整理していきます。

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プレイアブル広告とは、ユーザーが実際に操作しながら体験できるインタラクティブな広告形式を指します。一方的に情報を提示するのではなく、タップやスワイプなどの簡易的な操作を通じて、サービスやアプリの一部を疑似体験できる点が特徴です。
特にゲームアプリのプロモーションにおいて広く活用されています。パズルゲームの一部ステージをそのまま体験できるものや、RPGのバトル画面を簡易的に操作できる形式など、実際のアプリ内容を切り取った広告が多いです。
また、動画配信サービスやエンタメ系アプリなど、操作性や世界観を伝えやすいサービスにおいても導入が進んでいます。
近年プレイアブル広告が注目されている背景には、モバイル広告の競争激化が挙げられます。他社との差別化が難しくなってきたなかで、ユーザーに「触れてもらう」体験を提供できるプレイアブル広告は存在感を高めているのです。

プレイアブル広告は、広告枠内で体験が一部完結するよう設計された広告形式です。ユーザーの操作設計や、実際のアプリやサービスとの親和性などを重視したうえでかたちづくられています。
ここでは、その基本的な仕組みと、他の広告フォーマットとの違いを整理します。
プレイアブル広告は、簡易的な操作によってインタラクティブな体験が可能です。ユーザーは表示された画面上でタップやスワイプ、ドラッグなどの操作を行い、ゲームやサービスの一部を体験します。
体験内容は広告ごとに異なりますが、多くの場合は短時間で完結する構成が採用されており、パズルゲームであれば数回の操作を試せるもの、RPGであればバトルの一場面を操作できるものなどが多いです。
操作は直感的に理解しやすいものが多く、広告によって興味を引くことができれば、その後すぐにアプリのダウンロードにつなげられ、実体験に移行してもらうことができるでしょう。
プレイアブル広告で提供される場面には、アプリやサービスの特徴的な機能や代表的な部分が選ばれることが多いです。
アプリ全体をそのまま再現しているわけではありません。広告として成立するよう、内容や進行は簡略化されることが一般的です。そのため、プレイアブル広告は本編の縮小版というよりも、サービスの魅力や操作性を伝えるための体験設計と位置づけられます。
広告内での体験と実際のプロダクトとの整合性は、ユーザーの理解に影響する要素の一つと考えられるため、どのように構築するかが、成果をあげるうえで重要な観点といえるでしょう。
バナー広告や動画広告は情報を視覚的に伝える形式が中心ですが、プレイアブル広告は体験そのものを宣伝要素として組み込んでいます。
そのため、ユーザーによる能動的な関与が含まれている点が、他の広告フォーマットとの大きな違いといえるでしょう。
また、体験を通じてサービスの一端に触れられるという特性から、広告接触の時間や関わり方にも違いが生じる場合があります。こうした構造の差が、プレイアブル広告を独自のフォーマットとして位置づける要素の一つでしょう。

プレイアブル広告は、制作から配信までの設計次第で成果が左右される広告形式といえます。とくに、体験内容の構成や遷移設計によって、ユーザーの行動は大きく変わるでしょう。
ここでは、制作から配信までの基本的な流れを確認しながら、設計時に意識すべきポイントについて整理します。
プレイアブル広告の制作は、体験内容の企画から始まります。まずは、アプリやサービスのどの部分を切り出すのかを決定し、広告内で再現する範囲を整理します。
次に、その体験を広告フォーマットに適したかたちへと再構成します。短時間で完結する構成や、直感的に操作できる導線を意識しながら、画面設計や動作仕様を固めていきます。その後、広告クリエイティブとして実装し、配信媒体の仕様に合わせた形式へ調整します。
完成した広告は、媒体側の審査や入稿プロセスを経て配信されます。配信後は、クリック率やインストール数などの指標を確認しながら改善を重ねていく流れが一般的でしょう。
プレイアブル広告は、体験そのものが広告の中心となります。ユーザーは操作の途中で離脱することもできるため、どの順序で体験させるか、どの段階でインストールといった行動へ誘致するかが重要な検討事項になります。
とくに意識すべきポイントとしては、体験時間の長さや遷移のタイミング、そして実際のプロダクトとの整合性などが挙げられます。体験が長すぎると途中離脱の可能性が高まったり、短すぎると十分な理解につながらなかったりする場合もあるでしょう。
さらに、広告内での体験がそのままサービスの印象につながる可能性があるため、本編との内容の整合性や操作感の再現度も考慮する必要があります。こうした点をふまえた設計が、プレイアブル広告においては重要です。
プレイアブル広告を設計する際は、「何をゴールとするか」が成果に影響しやすいです。単に体験させることが目的になるのではなく、どの段階で遷移させるのか、どのタイミングで行動を促すのかといった着地点の設計が求められます。
たとえば、体験を最後まで完了させてからインストール導線を提示するのか、途中で興味が高まった段階で遷移させるのかによって、クリック率やインストール率は変わるでしょう。広告内のゴールと最終的なKPIとの関係を整理したうえで設計する視点が重要です。
また、体験の目的が操作方法の理解なのか、世界観の共有なのかによっても、ゴールは異なります。プレイアブル広告を作る際は、「おもしろい体験をつくること」だけでなく、その体験がどの成果指標につながるのかを意識することが求められるでしょう。

プレイアブル広告は、主にモバイル環境に向けて配信されるケースが多いです。代表的なのが、複数のアプリ内に広告を配信できるモバイル広告ネットワークです。ゲームアプリやエンタメアプリなど、さまざまなアプリ内に同一広告を横断的に表示できます。
SNSや動画プラットフォームにも配信可能ですが、動画プラットフォーム上においては動画視聴を前提としたうえでインタラクティブな体験を促す形式が中心であるため、これまで紹介してきたプレイアブル広告の枠組みからはやや外れるかもしれません。
ゲームユーザーはタップやスワイプといった操作に慣れているため、ゲーム内に他のゲームのプレイアブル広告を配信する場合も受け入れられやすいでしょう。特に、ゲーム利用中の環境では広告に対して違和感を持たれにくく、またすでにゲームアプリを保有しているユーザーは他のアプリのインストールに対してもハードルが低い可能性があります。

「プレイアブル広告 うざい」といったキーワードで検索しているユーザーがいることが見られることから、体験型広告に対してネガティブな印象を抱くユーザーもいることがうかがえます。
ネガティブな印象につながる要因としては、突然全画面で表示されることや、操作を求められることによる「強制感」が考えられます。とくに、コンテンツ閲覧中やゲームの途中で意図せず開始される場合、広告体験そのものがストレスとして受け止められることもあるでしょう。
ただし、こういった要因であれば解消することは可能です。配信・表示するタイミングを見直したり、インタースティシャル広告(フルスクリーン広告)への切り替え方を検討したりすることで、不快感は軽減されるでしょう。
なお、インタースティシャル広告についてくわしくは以下の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
また、すべてのプレイアブル広告が否定されているわけではありません。内容に興味を持てる場合や、体験そのものに楽しさが感じられる場合には、通常の広告よりも好意的に受け入れられるでしょう。
ユーザーに与える印象は、広告そのものの質だけでなく、表示される媒体・タイミングによって大きく左右されます。とくに、ユーザーが自発的に視聴を選択できるリワード広告と組み合わせれば、体験型の特性が前向きに働くこともあるでしょう。
リワード広告の仕組みや活用ポイントについては、以下の記事で詳しく整理しています。

プレイアブル広告は、従来の広告形式とは異なる効果が見られるでしょう。とくに、ユーザーの関与の深さや、インストール後の行動に違いが生じる期待が持てます。
ここでは、プレイアブル広告に期待できる主な効果と、その要因について整理します。
プレイアブル広告は、ユーザーが自ら操作を行うため、視聴中心の広告と比べて能動的な関与が生まれやすいといえます。
操作や選択を通じてサービスの一部に触れることで、印象に残りやすくなることが期待できるため、プレイアブル広告はエンゲージメント向上を目的とした施策に適しているでしょう。
視覚的な情報に加え、実際の動きや反応を体験することで、サービスの特徴を立体的に認識しやすい点は強みの一つです。
プレイアブル広告のメリットの一つは、CV前にユーザーにサービス内容を理解してもらいやすい点にあります。体験を通じて特徴や操作性を把握できるため、広告とプロダクトの間に大きな乖離が生じにくい構造をつくれるでしょう。
操作方法や世界観の構築などにおいて広告内の表現と実際のアプリに整合性が取れていれば、インストール後に「想像していた内容と違う」と受け取られることを回避できます。
こうした特性は、単にインストール数を向上させるだけでなく、継続利用やアクティブ率といった指標にも影響する可能性があります。体験を前提とした広告形式であることが成果の質に作用する点は、プレイアブル広告の特徴でしょう。
さらに、バナー広告や動画広告が主流であるなか、プレイアブル広告のような体験型フォーマットは差別化を図りやすい傾向があります。
商材や目的に応じて設計できれば、バナー広告や動画広告とは異なるアプローチで訴求できるため、コンバージョンが向上しやすいです。モバイルアプリ育成プラットフォームAppSamuraiによると、実際に非ゲームアプリにおいても動画広告と比べてインストール率が約32%改善した事例も発表されています。
参照:App Samurai「プレイ可能な広告が非ゲームアプリの結果をどう導いているか」
もちろん媒体や業種によって得られる成果は変わりますが、体験を伴う形式であることが成果に作用する要素の一つといえるでしょう。

プレイアブル広告にはさまざまなメリットがある一方で、導入にあたっては留意すべき点もあります。フォーマットの特性上、制作や設計の難易度が高くなる場合があり、商材や目的によっては適さないケースもあるでしょう。
ここでは、活用を検討する際に押さえておきたい主な注意点を整理します。
プレイアブル広告は、バナー広告や動画広告と異なり、画面遷移や動作の設計、簡易的なインタラクションの実装などが必要なため、制作工程が多くなる傾向があります。
そのため、通常のバナー広告や動画広告よりも制作期間や費用がかかりやすいです。とくに、複数パターンを検証する場合には、追加の開発コストが発生する可能性もあります。
また、広告フォーマットに落とし込む必要があるため、単に本編の一部を切り取るだけでは完結しないこともあります。こうした点から、プレイアブル広告を配信するには一定の制作体制や予算を確保するために前もって準備する必要があるでしょう。
プレイアブル広告は体験型であるからこそ、設計の良し悪しが印象に直結しやすいです。操作方法が分かりにくい場合や、実際のサービス内容とかけ離れた体験になっている場合には、かえって不信感につながる可能性があります。
また、十分に魅力を伝えられない体験となってしまった場合、ユーザーにとっては負担ばかりが際立ってしまうこともあります。体験型という特性は強みになりますが、同時に設計の精度が問われるでしょう。
そのため、単に「体験できる」ことを目的にするのではなく、どの体験を切り取り、どのような導線で次の行動につなげるかを整理したうえで設計することが重要です。
プレイアブル広告は操作や疑似体験によって魅力を表現しやすい商材と相性がよいです。体験として切り出せる要素が少ないサービスや、別途説明が必要な商材の広告に活用しても、形式の特性を十分に活かせない場合もあります。
また、目的によっても適性は変わるでしょう。短期的な認知拡大を主目的とする施策よりも、サービス理解や質の高いユーザー獲得を重視する場面のほうが適していると考えられます。自社の商材や目的に合致しているかを見極めることが重要です。
プレイアブル広告は短期間でインパクトを残すことも可能ですが、中長期的な運用を前提とした取り組みと相性がよい場合もあります。とくに、複数のクリエイティブを検証しながら改善を重ねる場合には、一定期間の運用が必要です。
とくに、体験型フォーマットの特性を活かすためには、ユーザー理解やプロダクト理解をふまえた設計が求められます。こういった点から準備、設計に比較的大きなリソースを必要とする施策といえるため、中長期的な視点で運用を開始することが望ましいでしょう。

プレイアブル広告は、体験内容や設計の工夫によって成果につながることも多いです。ここでは、事例をもとに、どのような体験を提供し、何が評価されたのかを整理していきます。
「Panda Pop(パンダポップ)」は、バブルを発射して同じ色のバブルを消していくパズルゲームです。開発会社のSGN(現Jam City)は、モバイルDSP「CrossInstall」のプレイアブル広告を活用し、広告内でゲームを実際にプレイできる形式のキャンペーンを実施しました。
この施策では、CrossInstall経由で獲得したユーザーは、他の広告パートナー経由のユーザーと比較してインストールあたりの平均収益が158%という結果となりました。プレイ体験を通じてゲーム内容への理解を促し、収益性の高いユーザー獲得につながった事例といえます。
「魔法のタイルズ3(Magic Tiles 3)」は、音楽に合わせてタイルをタップするリズムゲームです。プレイアブル広告では、ユーザーが約30秒間実際のゲーム内容を体験できる形式を提供しました。広告にはゲーム操作方法も表示され、初めてのユーザーも直感的な体験が可能です。
この広告体験により、CV率(アプリのダウンロード)が61%も上昇したと報告されています。体験を通じてユーザーに操作感や楽しさを実感させることで、ダウンロードへの動機づけにつながった事例といえるでしょう。
マッチングアプリ「Omiai」では、写真のタップやプロフィール確認といった基本機能を広告内で疑似体験できるプレイアブル広告を採用しました。ユーザーが広告内で実際の操作に近い体験を行える構成とすることで、サービスの利用イメージを具体的に理解できる設計です。
この施策では、CTRが1.4倍、ROASが1.9倍も向上しています。機能理解を促す設計により、サービス内容を納得したうえでの利用につながった事例です。

プレイアブル広告は、ユーザーに体験を提供することを軸とした広告手法です。操作を通じてサービスの魅力を伝えられる点は大きな強みですが、その分、設計の質が成果に影響しやすい特性があります。
配信設定の際には、表示されるタイミングや媒体との相性、切り取る体験内容の選定が重要です。興味を引く体験になっているか、実際のプロダクトと整合しているかを丁寧に検討することが欠かせません。
操作や体験そのものが価値になるサービスにとっては、有効な選択肢となり得ます。制作を検討する際は、目的やターゲットとの適性を整理したうえで判断しましょう。
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